色彩屋根裏blog

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ボールペンのインク

 当方。人生の始まりより、今現在に至るまで悪筆という、誰にも誇れないスキルを身に付けている。

 

 とはいえ、時折どうにかしようと、してはいるわけで。

 

 弘法筆を選ばずとはいうけれど、私はそのような筆のタツジンではないので、まずは道具から選ぼうという事にした。できないやつ程、形から入るもの。だが……。

 

 今まで全然意識していなかったのだけど。ボールペンって、インクに油性と水性があるのですな。

 

 良さげだなと思って購入したボールペンなのですが。職場で年一回実施している健康診断の、検(汚いワードなので自主規制)査献体の容器に個人情報を書き書きしたら、滲んだ! なるほど、水性だ。

 

 というわけで、道具選びは振り出しに戻る。

 

 が……。安っぽいものであっても、職場の電話の側に置いてあったものを、適当に使ってみた感じ、良い感触。ああ、これでいいんじゃね、と思った。

 

 値段ではなく、結局のところ使い心地の良いものにいきつくのやもしれぬな。

樋口円香話途中(加筆)

 辺りは暗闇。そして土砂降り。まるで、バケツをひっくり返したような勢いだと、よく例えられるような悪天候

 そんな中。山深い道を、一台の車がとてもゆったりとした速度で走っていた。慎重な、安全運転だと円香にもわかる。

「すごい雨だな」

「ええ」

 運転しているのは、プロデューサー。後部座席に、彼の担当アイドルである、樋口円香が座っていた。

 ワイパーは速度全開で動いているけれど、ばちばちと弾丸のように打ち付ける雨で、視界が狭い。

「安全運転で行くからな」

「そうでしょうね。ミスター石橋叩き」

 今回は秘境ロケという仕事で、二人は山深い地に来ていた。

 朝早くから夜遅く。ようやくのことで解放され、帰路につく途中。

「なあ円香」

 ちなみに、プロデューサーは他の仕事を終えてから、途中で合流した。そういうこともあってか、今日は社用車ではなくて、自分の車で来ていたのだった。

「こっちの車で、よかったのか?」

「一人の方がせいせいしましたか?」

「……いや。そんなことは」

 他のスタッフ達は、別の車で帰っていった。

 帰る際、円香はプロデューサーに言ったものだ。

 プロデューサーと帰る、と。

『……よく知らない人達と一緒だと、緊張するから』

 はぁと、ため息をつきながら、続けて言った。

『あなたの方が、気兼ねしなくていい。単なる消去法です。それだけのことですから』

 変な勘違いをされたら困るから、はっきりと言い切ったものだ。

 特にすることもないので、円香はスマホをいじっていた。

 お仕事お疲れさま。小糸からの労をねぎらうメッセージに、円香の表情が僅かに綻ぶ。

 そうかと思えば……。

 ふふ。みてみて。クワガタ、持たせてもらった。なんかいいね。

 浅倉からの、なんの脈絡もないメッセージ。クワガタの写真とともに、送られてきていた。

(浅倉……)

 虫が得意ではない円香は、思わずぎょっとしてしまう。

 それとほぼ同じ時間に、冬優子から、詫びのメッセージ。うちのあさひがごめんなさい! きつく言い聞かせるから! とのこと。

 円香は理解した。

 あさひのクワガタを借りた浅倉が、どういう気まぐれか、メールを送った。

 それを知った冬優子が、あさひの行動を咎めた。ということだろう。円香が虫を好きではないと知っているから。

(まるで保護者)

 円香は冬優子に、気にしてないよと、一言返信を送った。そもそも、咎められるのはあさひではなく、浅倉の方だろうから。

 そうかと思えば……。

 あは~。円香先輩みてみて。プロデューサーの席に座っちゃった~。いつもお世話になってます。な~んて。

「……」

 雛菜から自撮り写真。

 少し、イラッときた。そこには座らないでほしいし、プロデューサーが普段使っている電話に触らないで。円香はそう考えてる自分に気づいて、軽く頭を振った。

 良くも悪くも、ノクチルの面々は賑やかで、退屈しない。

「円香。どうかしたか?」

「どうもしません。ちゃんと、前を見て運転してください」

 きつい。我ながら、もっと言い方があるでしょと思う。

「何、ルームミラーでこっそり表情を伺ってるんですか。最低」

「ごめん」

 気難しい担当アイドルの、機嫌を損ねてしまった。とか、そんな風に思われているのだろうか。円香は小さくため息をついた。

「高速まで辿り着けたら、後は早いんだけどな」

「さっさと帰って、こんな小うるさいのを降ろして、せいせいしたいのですね」

「円香は静かだぞ?」

 そういう意味じゃない。円香は少し奥歯を噛みしめた。ぎりっと、鳴ったような気がした。

「……。プロデューサーは、私のどこがいいのですか?」

「円香?」

 特別に、目をかけてもらっているとわかる。

 担当アイドルだから? それは確かだけど。

「ご覧の通り、愛想がなくて。口も悪い。アイドルなんて、笑っておけばいい楽な仕事だなんて、舐めきった態度」

 雨は更に強く、車体に叩きつける。

 車載のステレオや、ラジオもオフ。

 辺りは暗く、対向車にすらしばらく出会っていない。

 まるで、世界に二人だけ、取り残されてしまったかのよう。

「日頃、散々悪態をつかれて、あなたはうんざりしないのですか?」

 ……丁度、あまり使われてなさそうな、広い駐車場があった。

 舗装もされていない砂利引きで、雑草が生い茂ってる。森に面していて、ヘッドライトを消せば、誰にも見つけられないだろう

 プロデューサーは、そんなところの片隅に車を停めた。長時間運転してきたし、少し休憩でもしようかというところ。

「うんざりなんて、しないよ」

「どうしてですか?」

「円香はいつも俺のことを、気遣ってくれているから」

 どこが!

 円香の表情が険しくなる。

「……自意識過剰。思い上がりも甚だしい。ミスター勘違い」

 慌てて言葉を並べても、無駄だ。

「担当アイドルに媚びへつらう社畜。こんな生意気な小娘に言いたい放題言われて、ろくに反論できないいい格好しいの優男」

「円香は」

 プロデューサーは、穏やかに笑いながら、聞いた。

「俺のこと、嫌いか?」

 悪態すら、出てこなかった。

「……嫌いな人と、二人で帰りたいだなんて。言いません」

 視線を合わせることが、できなかった。




      • -



 後部座席で、並んで座る。

 高級車だけあって、広々としている。

「車で、二人きりなのをいいことに、担当アイドルに手を出すプロデューサー」

「通報されたら、俺の人生終わるな」

 こういう場合、男の言い分など、誰も聞かないことだろう。そういうものだ。

「まあ。円香に通報されるのなら、仕方がない。嫌われてしまったんだって、諦めるさ」

「そんなこと、するわけないでしょう?」

 円香の声に力がない。

「そんなことをしたら……。あなたが私の側から、いなくなってしまうじゃないですか」

 仮定の未来を想像して、寂しさと悲しさがこみ上げた。

 円香のメンタルは、見た目ほど、強靱なものではなかった。

「担当アイドルを泣かせる悪い人。早く、フォローしてください」

 理不尽。我ながらめちゃくちゃな言いようだと、円香は思った。

 彼はこんな、性根のねじ曲がった自分を受け入れてくれる。

「ん」

 軽く、重なり合う唇。

 円香はもぞもぞと左手を動かして、プロデューサーの手を探し、掴んだ。

「いつまで……。んん」

 悪態をついて恥ずかしさを誤魔化そうにも、プロデューサーは離してくれなかった。

 円香はただ、左手でプロデューサーの右手を掴むだけ。

(どれだけ、したかったの。いい加減に……)

 円香は力を抜いていた。

 拒否しようと思えば、いつでもできた。少し力を込めて引き剥がし、キスばかりしてないでと、非難すればいい。

 なのに、しない。できない。

 温もりが心地よくて、愛しさが溢れ出てくる。

(優しい)

 円香は自然と、そう思っていた。

 プロデューサーは、掴まれていた右手を開いて、円香の左手に重ね、組んだ。

「ぷろ……」

 時間にして数十秒。決して長くはなかったはず。それなのに、唇が離れると、切なさが円香を包み込んだ。

「ん」

 こんな時。もっとしてくださいと、素直にお願いをできればよかったのに……。

 円香が自己嫌悪に浸っていたその時。

「ぁ」

 ハグ。それとともに、強引な、奪うかのように荒々しいキス。

 円香は驚いて、目を見開いていた。

 プロデューサーが、そんな強気にしてくることなんて、今まで無かったから。

「ぅ……」

 円香の口をこじ開けて、ぬめりを帯びた舌が入り込む。

 眠気覚ましに飲んでいたであろう、微糖タイプの缶コーヒー。苦みを帯びた味を、円香はまるで媚薬のように感じていた。

(……好き)

 円香はいつの間にか、両腕をプロデューサーの背中に回していた。離れないでと、力を込めて。

樋口円香話途中

 辺りは暗闇。そして土砂降り。まるで、バケツをひっくり返したような勢いだと、よく例えられるような悪天候

 そんな中。山深い道を、一台の車がとてもゆったりとした速度で走っていた。慎重な、安全運転だと円香にもわかる。

「すごい雨だな」

「ええ」

 運転しているのは、プロデューサー。後部座席に、彼の担当アイドルである、樋口円香が座っていた。

 ワイパーは速度全開で動いているけれど、ばちばちと弾丸のように打ち付ける雨で、視界が狭い。

「安全運転で行くからな」

「そうでしょうね。ミスター石橋叩き」

 今回は秘境ロケという仕事で、二人は山深い地に来ていた。

 朝早くから夜遅く。ようやくのことで解放され、帰路につく途中。

「なあ円香」

 ちなみに、プロデューサーは他の仕事を終えてから、途中で合流した。そういうこともあってか、今日は社用車ではなくて、自分の車で来ていたのだった。

「こっちの車で、よかったのか?」

「一人の方がせいせいしましたか?」

「……いや。そんなことは」

 他のスタッフ達は、別の車で帰っていった。

 帰る際、円香はプロデューサーに言ったものだ。

 プロデューサーと帰る、と。

『……よく知らない人達と一緒だと、緊張するから』

 はぁと、ため息をつきながら、続けて言った。

『あなたの方が、気兼ねしなくていい。単なる消去法です。それだけのことですから』

 変な勘違いをされたら困るから、はっきりと言い切ったものだ。

 特にすることもないので、円香はスマホをいじっていた。

 お仕事お疲れさま。小糸からの労をねぎらうメッセージに、円香の表情が僅かに綻ぶ。

 そうかと思えば……。

 ふふ。みてみて。クワガタ、持たせてもらった。なんかいいね。

 浅倉からの、なんの脈絡もないメッセージ。クワガタの写真とともに、送られてきていた。

(浅倉……)

 虫が得意ではない円香は、思わずぎょっとしてしまう。

 それとほぼ同じ時間に、冬優子から、詫びのメッセージ。うちのあさひがごめんなさい! きつく言い聞かせるから! とのこと。

 円香は理解した。

 あさひのクワガタを借りた浅倉が、どういう気まぐれか、メールを送った。

 それを知った冬優子が、あさひの行動を咎めた。ということだろう。円香が虫を好きではないと知っているから。

(まるで保護者)

 円香は冬優子に、気にしてないよと、一言返信を送った。そもそも、咎められるのはあさひではなく、浅倉の方だろうから。

 そうかと思えば……。

 あは~。円香先輩みてみて。プロデューサーの席に座っちゃった~。いつもお世話になってます。な~んて。

「……」

 雛菜から自撮り写真。

 少し、イラッときた。そこには座らないでほしいし、プロデューサーが普段使っている電話に触らないで。円香はそう考えてる自分に気づいて、軽く頭を振った。

 良くも悪くも、ノクチルの面々は賑やかで、退屈しない。

「円香。どうかしたか?」

「どうもしません。ちゃんと、前を見て運転してください」

 きつい。我ながら、もっと言い方があるでしょと思う。

「何、ルームミラーでこっそり表情を伺ってるんですか。最低」

「ごめん」

 気難しい担当アイドルの、機嫌を損ねてしまった。とか、そんな風に思われているのだろうか。円香は小さくため息をついた。

「高速まで辿り着けたら、後は早いんだけどな」

「さっさと帰って、こんな小うるさいのを降ろして、せいせいしたいのですね」

「円香は静かだぞ?」

 そういう意味じゃない。円香は少し奥歯を噛みしめた。ぎりっと、鳴ったような気がした。

「……。プロデューサーは、私のどこがいいのですか?」

「円香?」

 特別に、目をかけてもらっているとわかる。

 担当アイドルだから? それは確かだけど。

「ご覧の通り、愛想がなくて。口も悪い。アイドルなんて、笑っておけばいい楽な仕事だなんて、舐めきった態度」

 雨は更に強く、車体に叩きつける。

 車載のステレオや、ラジオもオフ。

 辺りは暗く、対向車にすらしばらく出会っていない。

 まるで、世界に二人だけ、取り残されてしまったかのよう。

「日頃、散々悪態をつかれて、あなたはうんざりしないのですか?」

 ……丁度、あまり使われてなさそうな、広い駐車場があった。

 舗装もされていない砂利引きで、雑草が生い茂ってる。森に面していて、ヘッドライトを消せば、誰にも見つけられないだろう

 プロデューサーは、そんなところの片隅に車を停めた。長時間運転してきたし、少し休憩でもしようかというところ。

「うんざりなんて、しないよ」

「どうしてですか?」

「円香はいつも俺のことを、気遣ってくれているから」

 どこが!

 円香の表情が険しくなる。

「……自意識過剰。思い上がりも甚だしい。ミスター勘違い」

 慌てて言葉を並べても、無駄だ。

「担当アイドルに媚びへつらう社畜。こんな生意気な小娘に言いたい放題言われて、ろくに反論できないいい格好しいの優男」

「円香は」

 プロデューサーは、穏やかに笑いながら、聞いた。

「俺のこと、嫌いか?」

 悪態すら、出てこなかった。

「……嫌いな人と、二人で帰りたいだなんて。言いません」

 視線を合わせることが、できなかった。




      • -



 後部座席で、並んで座る。

 高級車だけあって、広々としている。

「車で、二人きりなのをいいことに、担当アイドルに手を出すプロデューサー」

「通報されたら、俺の人生終わるな」

 こういう場合、男の言い分など、誰も聞かないことだろう。そういうものだ。

「まあ。円香に通報されるのなら、仕方がない。嫌われてしまったんだって、諦めるさ」

「そんなこと、するわけないでしょう?」

 円香の声に力がない。

「そんなことをしたら……。あなたが私の側から、いなくなってしまうじゃないですか」

 仮定の未来を想像して、寂しさと悲しさがこみ上げた。

 円香のメンタルは、見た目ほど、強靱なものではなかった。

「担当アイドルを泣かせる悪い人。早く、フォローしてください」

 理不尽。我ながらめちゃくちゃな言いようだと、円香は思った。

 彼はこんな、性根のねじ曲がった自分を受け入れてくれる。

「ん」

 重なり合う唇。

 円香はもぞもぞと左手を動かして、プロデューサーの手を探し、掴んだ。

新型コロナウィルスについてできること

 メディアは日々、どこどこで何人新規の感染者が出ただの、重傷者の割合が増えているだのを無意味に報じて、無用な危機感を煽り立てていくけれども。

 

 一般庶民に出来ることといえば、人が密集しやすい、いわゆる三密を避けるのと、マスクの着用、手洗いうがい消毒の実施、体温測定といった体調管理の徹底といったところだろう。

 

 対策の基本を守る。つまりは、隙を見せるなってことだ。まさに侍。

 

 これらの対策は、一つ一つはとても簡単なことだが、日々徹底するのは難しい。けれど、それにこそ生命を守る鍵がある。

 

 ゆるゆると感染者の増加を抑えつつ、それでいて経済は止めずに回す。両方やらなくっちゃならないのが辛いところと、某幹部の科白みたいな状況。

 

 ワクチンはいずれできるだろう。何せ、世界中が惜しむことなく財力をぶち込んで、研究開発を進めているのだから。出来ることをやって、ワクチンの完成を待つのだ。

 

 他にできることといったら、WCG(World Community Grid)というグリッドコンピューティングの解析プロジェクト、OpenPandemics - COVID-19に参加することくらいかな?

 

 治療法の特定を目的とした、ウィルス解析プロジェクト。2020年5月14日に開始された。

 

 かく言う自分も、全リソースをこのプロジェクトに振り向けているところだが、総解析時間がようやく一年に達した。たかが一年、されど一年。微々たるものではあるけれど、やらないよりはマシだろうか。

 

 プロジェクト全体だと、8月23日時点で31637年といったところ。

 

 何か出来る事が無いかと考える方。試しにやってみてはいかがだろうか?

 

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総解析時間(自分)

 

f:id:minardikaivbx:20200823042640j:plain

総解析時間(プロジェクト全体)

 

書いたもの

 この間、エブリスタにてオリジナルの小説作品をいくつか公開しております。

 

 サイトの方はなかなか更新できていないけれど、こちらも宜しければ読んでみてくださいな。

 

https://estar.jp/novels/25553986

↑KKラーメンの怪!

とある一人の疲れ果てた男による、ハードボイルドラーメンストーリー。

お気に入りのラーメン屋に立ち寄ってみたが、不定休だった。その時彼の頭に思い浮かんだ店とは?

 

https://estar.jp/novels/25548286

↑ヒメゴトLetters

久しぶりながっつり系のエロ作品。18禁。純愛もの。

付き合っていることを誰にも明かしていないカップルによる、森の中での秘め事ストーリー。

紺色セーラー服を来た長身少女と、小柄な主人公の凸凹カップル。

スター特典のアフターストーリー有り。

 

https://estar.jp/novels/25545160

↑このねのあのね

小さな子狐娘(健気で素直ないい子。巫女装束)の神様こと、狐乃音(このね)ちゃんがいろいろ頑張る優しいお話。ほのぼのした一般作。

 

https://estar.jp/novels/25531392

↑ナナサクReturns

サイトの方にて公開した作品のセリフリメイク。一般作。

七瀬さくらと主人公とのド付きあいラブストーリー。喧嘩するほど仲が良いとも言うわけで。

 

https://estar.jp/novels/25517156

↑ツイオクLovers

高校生同士の純愛もの。一般作。事故で記憶の一部分を失ってしまった女の子と、必死にサポートする彼氏さんによる青春ラブストーリー。