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WCGとは、いわゆる余剰のCPUパワーを活かした分散処理、グリッドコンピューティングというやつの一つで、IBMが支援したりしている。世界中に散らばっているCPUの余剰能力をたくさんかき集めてはスパコン並の高速処理を実現するというやつ。癌だのエイズだの筋ジストロフィーだの難病だの、太陽光発電やら水ろ過やらの新素材開発だのの、バーチャルスクリーニングによる基礎解析に素人がささやかながらも献上できるボランティア活動を、時折中断しつつもひっそりと続けている。

一時はチーム2chに属していたけれど、今は単独行動。あのチームはなかなかの規模で成果もあげているとかで、実に誇るべきことだろう。マスコミなんかはそういうことはまるで取り上げたりしないもので、叩かれてばかりだけどもっと注目されてもいいんでないかいな。

2009年の6月から始めて、現時点で大体8年と64日分くらいの成果と言うべきか、その程度の解析報告を出している。以下のスクリーンショットが今までの実績。バッジをいっぱい貰えてる。

で。当然CPUをぶん回すわけで電気代はかかるわけで、PCの排熱問題はあるし冷却ファン等の音の問題もある。そして見返りはない。じゃあ何故やってるかっていうことなんだけども。

当方、過去に父親を肺癌で亡くしてる経験がある故に。……もっとも原因はあまりにも明白で、ハイライト煙草の吸いすぎという典型的なヘビースモーカーだったわけで、受動喫煙何それな考えで、その上大の病院嫌いで健康診断なんて全く行かないわで、健康を巡って散々家族間で喧嘩をしたもので、全くもって同情の余地がない迷惑で自業自得なクソ親父なわけではあったのだけども。さりとて、世の中はそういう人達ばかりではないのだよな。どんなに健康的な生活をしている人だって、体に気をつけている人だって、難病に侵されてしまうことはある。あるのだ。人生はある種の運ゲー。悲しいことだが世の中は不条理に満ち、不平等だ。ブッダシット！

では、そういう人達に対して自分に何ができるかとある日考えてみた結果、ささやかながら無理のない範囲で解析のボランティアをしてみようかなと、そういう気になったのだった。

……ただ、色々問題もあって、メインで使っていたPCにて解析をすると、どこか環境が不安定になったり、OSやら機器の劣化が心なしか早かったりするんじゃないかなーというような感じがしたのだった。そんなわけで、解析専用のPCが一台欲しいなと思ったのだけど、なかなか良いものがなくて残念ながら解析自体を一時的に中断することになってしまった。

転機が訪れたのは、テックウィンドのキーボードPCと呼ばれるような面白PCが発売されたことと、生活環境が激変して自宅に太陽光発電などというもんを導入したこと。

こいつはCPUこそAtomのZ3735Fという廉価かつ省電力向けの低パワーなものだが、ファンレス故にほんの僅かな電子音を除いてほぼ無音。発熱も大したことがなくて猛暑でもダウンすることなく問題無く稼働してる。キーボードと一体化だから周辺機器も不要だし場所もとらない。電気代については前述した太陽光発電の導入によってほぼ問題がなくなった。

そんなわけで、専用PCを一台導入して24時間体制での解析を再開してみたのだった。仮想通貨のマイニングなんかよりゃ、遥かに意義のあることかなと思ってる。やってる人には悪いが、ありゃ電気代の無駄だ。

舌打ちを何度でもしたくなるような、過去に知ってしまったどうしようもない絶望感。それに少しでも抗ってみようかなというところかな。基礎研究だから直ちに何かが変わるわけじゃないけれど、地道な種まきはいつか実るさと信じて……。